昨日、ナイターが始まる前に、スペインの「ガイタ」を作る職人について15分程度の短い番組が放送されていた。「ガイタ」はスペインの北部、ガリシアやアストゥリアスといった地方で演奏されているバグパイプの一種である。おなじケルト文化圏である、スコットランドにもバグパイプはあるのだが、スペインでは歌や踊りの伴奏として使用され、スコットランドでは軍隊の行進曲の演奏に使われた。どっちかというとスペインのガイタ曲は陽気な感じがするのは、そのような背景があるからだろう。ガリシアのガイタ奏者には、カルロス・ヌニェスらが日本でも知られている。
その「ガイタ」だが、最近まで、「私がもし金銭的余裕ができれば何を買いたいかランキング!」の上位につけていた一品である。なぜって、バグパイプはともかく、ガイタを日本で演奏している方などそうはいないだろうし、ストリートでも注目を集められるだろう、という理由である。なんでストリートで注目を浴びる必要などあるのだ。ストリートミュージシャンはやったことは、実はない。しかし、願望だけはあるのだな実際、かなり前から・・・。
高校時代、かつて北国の大学でラガーマンをしていたという社会科の先生がいた。世界史の担当で、あらゆる国々に旅行されていた。厳戒のイスラエル入国や、シベリア鉄道でユーラシア横断など、授業中の雑談が楽しみだった。それであるとき、旅先で現金を調達する方法について話題になったことがある。東欧がまだまだ民主化されず、西側の資本が入っていないころの話だが、古いジーパンを持っていくとかなりいい値段でうれるとか。また、「漢字」がヨーロッパ人には珍しいので、帽子や服に漢字で名前を書いてあげると喜ばれる。たとえば「スーザン」なら「崇山」というふうに。現在でも、意味不明の日本語をTシャツにプリントしている外国人を目にすることがある。
そんな中でこの先生が、「今度外国に行く前に、尺八を習っておこうと思う。外国で現金がなくなったら、これで投げ銭をもらう。尺八は日本的なものだし、絶対うけるはず」と発言した。なるほど、と自分でも思った。このことはいつまでも覚えていた。そして、実際に尺八を購入しようとも考えたことがある。しかし、尺八は尺八である。都山流だの、ナントカ流だの、師匠について修行しなくては、やはり我流ではまずいだろう。それに、湿度の管理が難しく、雑に扱えば裂けてしまうこともあるという代物である。いつしか尺八は断念した。
近くの駅前でも、ペルーかボリビアから来日したフォルクローレのバンドをよく見かけるが、結局、そのエスニックなテイストが「投げ銭」の価値を幾分か押し上げていることは否めないだろう。尺八にしろ、民族的な楽器を演奏してやろうという志向の中にそういう不純な動機が含まれていたことは否定しない。それで海外をサバイバルできるなら越したことはないし、あわよくば「文化交流」にもなるだろう。しかし、国内でサバイバルするために外国の珍しい楽器を日本人が演奏するというのはどうなのだ。・・・まあ「こんな楽器もありますよ~」みたいな話題にはなるか。そして、そのストリートミュージシャンの市場価値は、少しの間高まるかもしれない。彼の演奏技術がどのようなものかわかるまでの間ね。
かなり話題がずれてしまいとりとめのない話になってしまった。今現在ほしい楽器はあることはあるが、練習する余裕の方がないのである。ときおり湧き出てくる「楽器ほしい」ブームも今は封印中である。
人気blogランキングへ
4 件のコメント:
はじめまして。KojiKojiMohejiといいます。僕は大道芸でスコットランドのBAGPIPEを演奏したりしています。
最近スペインのガイタにもHEVIAというアーティストの曲を聞いてから
絶対やりたい楽器になっていました。
もうすぐ実際に楽器を購入してガリシアに行き勉強してこようとおもいます。
偶然このプログを見つけてしまって、ついコメントしてしまいました。
もし良かったらメールアドレスを教えていただけないでしょうか?出来たら友達になりたいです。
もし良かったらHPもありますのでご覧ください。そちらにメールアドレスもありますのでよければご連絡おまちしています
http://www.kojikojimoheji.com
kojikojimoheji さん、はじめまして。
コメントを下さりありがとうございます。
HPも拝見させていただきました。
できればリンクさせていただきたいてよろしいでしょうか。
ガリシアへ留学なさるということですが、すばらしいことですね。
音楽には関係ないですが、あのあたりは魚介類が豊富で料理がおいしいようです。そちらのほうも楽しんできてください。
これからもよろしくお願いいたします。
こんにちわ。
お久しぶりです。
去年の9月にガリシアに行ってきて
ガイタを勉強してきました(^-^
ただ2週間程しか行けなかったのですが、
また行こうと思っています。
日本ではgaitaをやろうと思っている人は
少ないので、頑張りましょう(^-^
そのうち、いつかお会いできたらいいですね☆
お、これはこれはおひさしぶりです。コメントいただいたと知らず<(_ _)>。
ほんとにガイタを勉強なさってらっしゃったのですか(゜o゜)。すごいです~。スコットランドのバグパイプとかなり違いましたか?
もし関西にいらしたらお会いしたいです(^.^)/~~~。
コメントを投稿